
先日、三重のお土産に
「へんば餅」をいただきました。
伊勢参りの旅人が、
ここで馬を返した(返馬)ことからその名がついたという、
歴史あるお餅だそうです。
手に取った箱の裏を見てみると、
店主の方からのこんな言葉が添えられていました。
「美味とは申せませんが……」
一瞬、おや?と思いました。
普通なら「最高級の素材」や「絶品の味」と謳いたくなるところですが、
あえて「美味とは言わない」と。
けれど、一口食べてみて、
その言葉の真意がすとんと胸に落ちました。
「派手さ」を手放した先にある心地よさ
お餅はとても柔らかく、
焼き目の香ばしさと、控えめなこしあんの甘さ。
そこには、
舌を驚かせるような派手な刺激はありません。
でも、その「素朴さ」が、
驚くほど心に深く染み入るようでした。
私たちは無意識のうちに
「もっと特別であらねば」「もっと成果を出さねば」と、
自分の中に「派手さ」を求めて疲れさせてしまうことがあります。
ですが、
このへんば餅をゆっくりと噛み締めている時間は、
不思議と心身の力が抜けていきました。
「これでいいんだ」と、
今の自分をそのまま受け入れられるような、
穏やかな安心感に包まれたのです。
欠けているのではなく、馴染んでいる
店主の「美味とは申せませんが」という言葉は、
きっと自信がないわけではなく、
「日常に寄り添う、飽きのこない存在でありたい」という究極の優しさなのだと
感じました。
・背伸びをしない。
・過度な期待で自分を飾らない。
・元々ある素材の良さを大切にする。
こうした「素朴な味わい」を愛でる時間は、
忙しすぎる現代の私たちにとって、
何よりのセルフケアになるのかもしれません。
もし今日、
「何かしなきゃ」「もっと頑張らなきゃ」と焦りを感じていたら、
少しだけ「素朴なもの」に触れてみるのも良いのかな、と感じました。
温かいお茶を淹れる。
派手ではないけれど、
丁寧に作られたものをいただく。
(和菓子はオススメです^^)
「最高に素晴らしい一日」でなくてもいい。
「素朴で、穏やかな一日」であっても、
十分に贅沢な時間なのだと思いました。
わたしたちの今日が、
へんば餅の甘さのように
優しく穏やかなものでありますように。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。