お昼過ぎ、ふと時間が空き、
「少しギターでも弾こうかな」と手に取ったときのこと。
軽く音を鳴らそうとした、その瞬間。
弦がぷつりと切れてしまいました。
楽しみにしていた時間が、
思いがけず「作業の時間」に変わる。
ほんの少しだけ、残念な気持ちになりましたが——
この日のギターは、
「弦の張り替え」から始めることにしました。
奏でるための、静かな時間
新しい弦を取り出し、
一本ずつ丁寧に張り替えていきます。
指先に伝わる金属のひんやりとした感触。
ペグを回すたびに、少しずつ整っていく音。
その静かな作業の中で、
ふとこんな思いが浮かびました。
「この時間があるからこそ、美しい音が生まれるんだなぁ」
私たちはつい、
「弾くこと」や「成果」といった
目に見える部分に意識が向きがちです。
けれど、その心地よい時間を支えているのは、
こうした静かで丁寧な“準備”なのかもしれません。
NLPのコーチングでは、
望む状態(アウトカム)に向かうために
「リソース(資源)を整えること」を大切にします。
この弦の張り替えもまた、
自分と楽器の関係を整える、
小さな儀式のように感じられました。

桜が教えてくれる「待つ」という豊かさ
ふと窓の外に目を向けると、
雨に打たれる桜の姿がありました。
数日前まで、
あんなにも美しく咲いていた花。
今は静かに、雨の中に佇んでいます。
あの一瞬の美しさのために、
桜は長い冬のあいだ、
じっとその時を待っていたはずです。
圧倒的に長い「準備の時間」と、
ほんのひとときの「開花の時間」
そう思うと、私たちの人生における“輝く瞬間”もまた、
見えない時間に支えられているのかもしれません。
以前、外山滋比古さんの『おとなの思考』を読んだとき、
「すぐに形にしないことの価値」を学びました。
準備の時間とは、
ただの待ち時間ではなく、
深みを育てる「熟成の時間」なのだとあらためて感じました。
丁寧な「今」を重ねていく
弦の張り替えが終わると
新しい音が部屋に広がりました。
その音は以前よりも
少し澄んでいるようにも感じました。
弦の張り替えの時間、準備の時間は
何もしていないようで、実は「整える時間」
つい効率を優先して
「準備」を省きたくなることもあります。
それでも、
その時間をどれだけ丁寧に過ごせるか。
そのことが、これから訪れる時間の豊かさを
静かに決めていくのだと思いました。
時にわたしたちに必要となる「整える時間」を、
未来の自分へのプレゼントのために静かに過ごす。
そんな時間の過ごし方も大切だなぁと感じた
穏やかな土曜日の午後でした。
今週末もわたしたちにとって
整える時間まで大切にできる
素敵な日々でありますように
今日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。